カンガルーケアにひそむ危険性
RKB毎日放送製作のテレビ番組
『ムーブ 』;「胸の上の悲劇 〜カンガルーケアの功罪〜」や、
『揺れる分娩室 〜母乳信仰の光と影〜』
をご覧になられた方のブログです。
福岡大橋・半径500メートル日記より引用
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2011年01月04日(火)
さて、そんなグータラした年末年始の中、
1日だけ、目覚ましをかけて早起きした日があった。
2010年12月31日(金)7:05〜にRKBで放映されたカンガルーケアの番組を観たかったので。
同じくRKBで2010年5月30日(水)で放送された
「胸の上の悲劇〜カンガルーケアの功罪〜」も
たまたま観ていて衝撃を受け・・・その続編ともいえる内容、
出産を控えていることもあり、絶対に観たかった。
カンガルーケアは、1978年に南米コロンビアで保育器不足の対策として、
母親が胸元で抱っこして子どもを温めさせたのが始まり。
日本にはNICU(新生児集中治療室)に入っている赤ちゃんと母の密着のために導入され、
その後、正期産(出産予定日から3週間前〜2週間後)に、
正常に生まれた赤ちゃんにも用いられるようになったそう。
生後直後から2時間程度胸の上で抱っこしておっぱいを吸わせることで、
母子の絆の形成、スムーズな母乳育児につながると言われており、
信州大学医学部保健学科の坂口けさみ教授らによる2008年の調査によると、
日本国内で約7割の産科施設で取り入れられているらしい。
私自身、3年前に上の子を出産する際、
助産師さんから「カンガルーケアしますか?」と尋ねられ、
希望して行ったのだけど、恐ろしいことにこのカンガルーケアが原因で、
赤ちゃんが低体温状態に陥ったり、けいれんを起こしたり、
最悪、呼吸が止まったりする事故が起こっているらしい。
番組中、倉敷中央病院総合周産期母子医療センターの渡部晋一主任部長の
コメントによると、全国で1年間に20件、カンガルーケアが原因で
赤ちゃんが危険な状態に陥った事例があったそうだけど、
これは氷山の一角に過ぎないだろう、と。
●相次ぐ赤ちゃん事故 「カンガルーケア」実施に慎重さ求める動き
(2010年4月3日産経新聞記事1 ・2 ・3 )
母親はおそらく誰でも、生まれて我が子の顔を見るその瞬間まで、
元気な子どもが生まれてくれるか不安でたまらないものだと思う。
元気に生まれてくれた我が子の姿に安堵した後、
まさか自分の胸の上で、呼吸を止めてしまい、その後意識を取り戻さないなんて・・・
という長崎のご夫妻 の悲痛な叫び声が頭から離れない。
私は医療知識がない素人、
かつ、まだ子ども1人を育児中の新米母だけど(2歳半まで母乳をあげた)、
一人目の子でカンガルーケアをしてみた当時の感想で、
母子の絆形成&母乳育児のために
カンガルーケアがそれほど重要とは”全く”思わなかった。
そんなに慌てて絆を深めようとしなくても、その後の過酷な育児で、
嫌がおうなしに子どもとの絆は深まっていくし。
「私が手を離したらこの子は死んでしまう」。
これほど強烈に我が子との絆を意識させられ、母としての責任感を
駆り立てられることはない(だからこそ産後うつ なども起こるわけだけど・・・)
また、個人的には、母乳を出すためには”一も二にも頻回授乳につきる”と思った。
あと桶谷式マッサージ で乳管を貫通してもらったのも良かったかも。
でも、もし母乳が出なかった場合でも、何とか初乳(免疫力が高い)
だけは与えて、その後はミルク育児でもいいのだし。
●「分娩直後のカンガルーケアが生後1ヵ月の母乳栄養継続率に及ぼす影響」 によると、
カンガルーケアは初産婦の母乳栄養継続には効果ありとの調査結果。
ただし、サンプル数が少ない&調査期間中に
”赤ちゃんにやさしい病院”に認定された影響があるのでは?と、
科学的な検証になっているかどうか不十分な気がする。
なお、前述の渡部先生も一員の、新生児医療に携わる
医師を中心としたワーキンググループにより、
カンガルーケア・ガイドライン が作られたり、
全国放送の『総力報道!THE NEWS』でも取り上げられ たりと、
徐々にカンガルーケアの危険な一面も周知されつつあるらしい。
それにしてもこの番組は、
ローカル番組なのに(という言い方は失礼だろうけど)、
東京での学会、神奈川のご夫妻、岡山の病院、
福岡で10年前からカンガルーケアに警鐘を鳴らしている久保田産婦人科 など、
全国各地を取材し、海外の文献まであたっていて、とてもよく取材されている良番組だった。
何かドキュメンタリーの賞を受賞してもいいのでは?と思うぐらい。
こんな朝早くじゃなくて、夕方とか、ゴールデンタイムとか、
たくさんの人が観られる時間帯にあったら良かったのになぁ。
助産師さんの中には、自然分娩・カンガルーケア・母乳育児してこそ母親!
という自分の思い込みを押し付けて、新米母を追い詰める人も中にはいるので・・・
そういう”専門家”の方に、この番組を観て欲しい。
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