新生児蘇生術の講習について




日本産婦人科医会長崎県支部は、私達の事故の報道を受けて、

2010年4月 カンガルーケア(SSCと表現していますが)を行う際の

人的・医療機器による十分な監視をするよう、

また新生児のトラブル発生時の対策として、

医師や助産師に新生児蘇生術の講習会に参加するよう文書を出しました。

いかにも対策をとっているかのように見えますが、

「母の想い」で述べているように、

これでは赤ちゃんの呼吸が止まることを未然に防ぐことはできないことは明らかです。





現在では、一万人に一人の割合ではなく、もっと多くの赤ちゃんが、

呼吸停止まで至らず回復したとしても、脳障害が起こることが分かっているのに、

カンガルーケアを止めようとはせず、

赤ちゃんの呼吸停止ありきで、

呼吸停止を未然に防ぐ事を考えず、

呼吸停止に備えて、新生児蘇生術を身につけようと呼びかける

なんとも愚策としか思えません。





私達の事故を受けて、2010年6月27日付の長崎新聞記事にコメントを出しておられる、

カンガルーケアをめぐりガイドラインの作成にも携わった

周産期母子医療センターの新生児科医師は

「いくら教科書や人形を使って勉強練習したって適切な新生児蘇生はできないでしょう」

と言われます。





実際にフルに蘇生が必要な分娩は多く見積もって100件に一件程度。

しかも多くの場合危なそうな分娩は事前に予測できていてしかるべきセンターに送られますから

一般のクリニックで予期せぬ急変にぶつかる機会は数千分娩に一件あるかどうか。

産科医や助産師がその長いキャリアの中で果たして何度遭遇するか。

一般のクリニックで適切な蘇生など出来るはずもありません。

とも断言されます。





ならば、カンガルーケアーの実施に対するガイドラインに書かれている、



「新生児蘇生に熟練した医療者による観察を行うこと」



これなど、到底無理な話ではないでしょうか?

一般のクリニックでは、適切な蘇生が出来ないのであれば、今すぐにでも

全ての産科医でのカンガルーケアは実施してはいけないのが現状なのではないでしょうか?





また、本来は難しい新生児蘇生技術を身につけるよりも

赤ちゃんの呼吸が何故止まるのか、早急に原因究明し、

未然に防ぐことの方が大切なのではないのでしょうか?





久保田医師も私達のように事故にあった被害者達も、

赤ちゃんを母親の胸に抱くことを悪いことだとは決して言ってはいません。

ただ事故が起こっていることは確かなのです。





仮に、単にカンガルーケアを止めたとしても、

産まれたばかりの赤ちゃんを保温もせず、栄養も与えず、その管理を怠れば、

チアノーゼや黄疸、嘔吐や体重減少そして、呼吸停止に至る悲劇を

防ぐことはできないことは明らかでしょう?





カンガルーケアを悪く言われたくないばかりに、

事の本質が見えなくなっているのは、誰でしょうか?





医療従事者の方々、御願いですから、根底から考え直して頂きたいものです。