追 記
なぜ母と子は放置されたのでしょうか?
2012年10月17日 日本周産期・新生児医学会など8つの団体から、
「早期母子接触(いわゆるカンガルーケア)」の留意点
(日本周産期・新生児医学会HPより引用)
が発表されました。
それには、
3.分娩施設は、「早期母子接触」実施の有無にかかわらず、
新生児蘇生法(NCPR)の研修を受けたスタッフを常時配置し、突然の児の急変に備える。
5.妊娠中(たとえばバースプラン作成時)に、
新生児期に起き得る危険状態が理解できるように努め、
「早期母子接触」の十分な説明を妊婦へ行い、夫や家族にも理解を促す。
その際に、有益性や効果だけではなく児の危険性についても十分に説明する。
6.分娩後に「早期母子接触」希望の有無を再度確認した上で、
希望者にのみ実施し、そのことをカルテに記載する。
と明記されています。
ということは、裏を返せば、
これまで、カンガルーケアを崇拝する医師や助産師によって、
WHO/ユニセフが推奨するカンガルーケアは、
日本で形を変え、
カンガルーケアの事前説明もなく、
母親に同意を得る事もなく、
医師や助産師による付き添いもなく行なわれてきたという事実を
医療界が認めてくださったということでしょうか?
しかし、世間では、依然、カンガルーケアの利点ばかりが強調され、
母子がほったらかされて起きた事故など稀な例で、
「もしもの時は、お医者さんや助産師さんが付いていてくれるので大丈夫だろう」
という認識が大半のようです。
こうたろうや他の同じような被害にあった子達は、
「たまたま助産師が付き添っていなかったから被害にあったのだろう」
或いは、「もともと何らかの危険因子があったのだろう」と、
医師や助産師が付き添っていても、
赤ちゃんに何らかの危険状態が起こった時には既に遅い
ことが理解されていないように思います。
医療界がおっしゃる新生児の危険状態とは、どういう状態でしょうか?
こうたろうの「爪の色が悪い」と私が言ったとき、
助産師は、「生まれたばかりの子はそういう色をしていることもあるので大丈夫」と言いました。
こうたろうが「動かない」と訴えたとき、
助産師は、「お母さん方皆さんそう言われますけど、
赤ちゃんはいつも動いているわけじゃないので大丈夫」と言いました。
そして、こうたろうはほったらかしにされたわけですが、
赤ちゃんの四肢末梢チアノーゼや冷たくじっと動かないことを
助産師は、危険状態と思っていません。
それとも、この助産師が無能だっただけとおっしゃるのでしょうか?
こうたろうの事故が報道されたとき、
医療界は「カンガルーケアとの因果関係がない」とか
「それは我々が推奨するカンガルーケアではない」とおっしゃって、
助産師の言動について、疑問を示してくださる医療従事者は、
どなたもいらっしゃいませんでした。
つまり、その助産師だけが特別に無能なのではなく、
産科医師や新生児科医師、助産師は、
赤ちゃんに四肢末梢チアノーゼがあっても、
赤ちゃんが冷たくじっと動かなくても、
“赤ちゃんは三日分の弁当と水筒を持って生まれてくる”から、
“2,3日すれば元に戻る”という認識だったのではないでしょうか?
だから、
日本でのカンガルーケアは、多くの産科施設で、
母と子だけで放置され、行なわれてきたのではないでしょうか?
事実、カンガルーケアの利点には、
「赤ちゃんをお母さんの胸に抱くことで体温が上昇する」と謳ってありますから。
ところが、今はどうでしょうか?
まさか、現在において、
四肢末梢チアノーゼをほったらかすことはされないと思います。
それは、四肢末梢チアノーゼを危険状態と認識して下さったのだと思いますが、
どうなのでしょうか?
以前は、四肢末梢チアノーゼを気にも留めずに放置したのに、
今は、“生まれた直後の赤ちゃんは体調が急変しやすい”と前置きされて、
危険状態と定められたようです。
何か、矛盾を感じませんか?
どなたも、“三日分の弁当説”に触れようとされないのは、
なぜなのでしょうか?
それとも、未だ、“三日分の弁当説”は正しくて、
四肢末梢チアノーゼは危険状態ではないと仰るのでしょうか?