長崎市民病院出産事故
2011年5月31日
長崎市民病院が出産時の医療事故の記者会見を行いました。
そのニュースが流れたとき、
「あっ!あの時の赤ちゃんのことだ!」と思いました。
浩太郎が入院していたNICUの中で、
最初は人工呼吸器をつけていてもほとんどの赤ちゃんがはずれていく中、
その赤ちゃんはずっとはずれない、
私はそのお母さんとお話したくて、したくてたまらず、
浩太郎担当の看護師さんに、声をかけていいか聞いてほしいとも頼みましたが、
その看護師さんにも、ご丁寧に師長さんからも断られ、
明日こそは自分で声をかけよう、次に会ったときは声をかけようとしていた矢先に、
居なくなられ、看護師さんにどうしたのかと聞くわけにもいかず、
人工呼吸器をつけた赤ちゃんを二人も診るのは大変で、
転院させられたのだろうか? と心苦しく思っていたのです。
それが、なんと天に召されていたなんて、
夫は涙が止まらず、私は泣きわめき、震えが止まりませんでした。
浩太郎の事故が報道されたのは、2010年2月〜4月です。
この出産事故は6月です。
同じ長崎市内でカンガルーケア中の事故が報道されているのに、
産科医や助産師・看護師の方々は浩太郎の事故のことを
やはり、その産科医院のカンガルーケア中の管理体制が悪い中で起こった事、
助産師が監視をしていても赤ちゃんの呼吸停止は防げなかった
というふうにしか捉えていなかったのだろうか?
産科医のブログで(参照 3.助産師の実態)
助産師が会陰保護を重視したあげくの赤ちゃんの脳性まひ
自然分娩にこだわる助産師に任せて産科医が当直せず
などと告発されていたことが頭をよぎりました。
浩太郎の事故では、管理体制が悪かったことが指摘されているのに、
事故をカンガルーケア単体でしか捉えず、
事故を教訓に、我が診療や看護に反映させることもしない、
医療従事者の方々はなんと高慢で、そして幼稚なのだろうかと思いました。
ご自分達の高慢さが、
防げた事故を引き起こしていることにお気付きでしょうか?
それともまだ、この出産時の事故も
長崎市民病院の産科医・助産師が悪かっただけ、
自分は気をつけているから事故は起こさないと思われるのでしょうか?
医療従事者に対する不信感がさらに増幅しました。
この出産事故の記事を取り上げている弁護士の
ブログ
を見つけましたので参考までにご紹介させていただきます。
このブログの中で、事故から1年後に長崎市民病院の記者発表があったことを
「迅速な解決と今後の再発防止のための誠意ある対応として高く評価する」とありますが、
それはあくまでも他の医療事故に比べてであって、
私は決して迅速ではないと思います。
医療事故かそうでないか調査している1年もの間に
どれだけの赤ちゃんが犠牲になっているでしょうか?
そういえば、NICUに浩太郎が入院しているとき、
何度か赤ちゃんの救急搬送に出くわしたことがありましたが、
次の日に赤ちゃんの名前が増えていないときもありました。
つまりこの出産事故と同様、亡くなっていたことを意味するのではないでしょうか?
長崎市内唯一の規模の小さい周産期母子センターですが、
この規模のセンターでさえ、これだけあるのですから、
日本全国でどれだけの赤ちゃんが犠牲になっているか、計り知れません。
浩太郎の事故と長崎市民病院の出産事故に共通しているものは、
何が原因だったのか? と医学的な原因追究する以前の
歴然とした医師や助産師の初歩的なミスです。
西日本新聞には、長崎市民病院の院長が
「直接的な原因は医師の指示不足だが、病院全体の責任もある」
とコメントしたと記載されています。
つまり、責任の所在は市立病院ですから長崎市にあり、
事故を起こした医師や助産師は何の責任も問われないということではないでしょうか?
また、医師が当直していなかったことを
「医師は不在」という表現で誤魔化しているため、
体制の不備はここでも明らかにならず、改善されません。
大阪府が出している「医療事故防止ガイドライン」には、
事故防止対応
医療事故のほとんどが、全く初歩的な誤りに起因しています。
看護事故の多くは単純・初歩的な過失によるもので、
そのほとんどが看護の基本行為が正確に出来ていない場合に事故に至っています。
と書かれています。
このガイドラインが作られたのは今から11年も前の2000年12月ですが、
未だに、初歩的なミスの医療事故が起きる原因は何なのでしょうか?
前述の弁護士のブログでは「出産事故は少ないときでも2,3件担当している、
常識的に考えて、モニターしていないことが注意義務違反にあたる以上、
病院の責任は肯定されるべき」とも書かれています。
なぜ、明らかに注意義務違反の医療事故の原因究明に1年もかかるのでしょうか?
医療従事者の方々は医療事故が起きた事実が明らかになることを
恐れていらっしゃるようですが、
長崎市民病院が再発防止のためとして、
自ら公表されたことが「高く評価」されていることにお気付きでしょうか?
初歩的なミスによる医療事故が減らない原因はそこにあるのではないでしょうか?
医療従事者の方々は、
「難しい医療を行うには、時に人の命を奪うこともある、
その責任を当事者に問うと医療に携わる者がいなくなる」
と思っていらっしゃるのではないでしょうか?
その甘えが、医療事故を起こしても
“事故を起こした当事者は責任を問われることはない”
という医療従事者の方々の、油断、過信、高慢へ繋がるのではないでしょうか?
長崎市民病院は「再発防止を図る」とコメントしていますが、
今回の事故のように医学的な原因に起因しているわけではなく、
単なる「注意義務違反」という初歩的な誤りによる医療事故の再発防止のために、
どのような対策をとられるおつもりでしょうか?
前述の医療事故防止ガイドラインには、
一般社会人にとっては全く当たり前のことが書いてあります。
“事故は起こさない”と思っている医療従事者が、
このガイドラインを目にすることは先ずありえないと思いますし、
このガイドラインを全ての医療従事者が目にしているならば、
未だに初歩的なミスによる医療事故が起きるはずもありません。
非常識な人間とは、自分が非常識であると気づいていないから非常識なのではないでしょうか?
事故を起こした医師は既に転勤していて、
現在どこの病院に勤務しているかもわからず、
再発防止どころか、私達一般市民の不安は増すばかりです。
10年以上も前にこのガイドラインができているのにもかかわらず、
全く減る気配を見せない医療事故の防止対策には、
「決められた規則はきちんと守りましょう」
などと標語でも書いて壁に貼る以外、他に方法があるのでしょうか?
むしろ世間に対して公表されたことが、
同じ医療従事者の方々に向けての注意喚起であり、
それが一番の再発防止策として「高く評価」されているのだと思います。
何が一番大切なのでしょうか!?
再発防止のためにまずは公表して注意喚起を促し、
それから医療側に非があるかないかを調査してもいいんじゃないでしょうか?
調査した結果、医療側に非があれば、
その事実を真摯に受け止め、反省し、被害者に謝罪し、損害賠償する、
再発防止に努め、自らの信用は自らの努力で回復する。
調査した結果、医療側に非が無ければ、
逆にその病院への信頼は増すと思いますし、
その調査結果は今後の医療の発展に生かせるのではないでしょうか?
どちらにしても、
人の命を救うために奔走してくださっているという姿勢に
私達一般市民は敬意を払うと思います。
事実を包み隠さず公表する方が信頼を得るのではないでしょうか?