示談成立までの歩み その9 「示談書」
私達は、これだけ新聞やテレビ、インターネットで報道してもらっても、
当の医療界や厚生労働省が
赤ちゃんの呼吸停止の原因究明をするどころか、
未然に防ごうという動きがないことに憤りを感じていました。
だったら、せめて一般市民の方々に自己防衛手段として、
元気に生まれた赤ちゃんの管理の仕方を知っていただき、
赤ちゃんを守ってもらおうと思いました。
そして久保田医師から、
カンガルーケアや完全母乳・母子同室の何が問題なのか
説明していただいたことを、私なりに纏めて、
HPに載せることを考えたのです。
その頃に、夫から、
母親の立場からの意見を載せたらどうかと提案され、
そして「ははのくのう」を、掲載することになりました。
もちろん、その文章は、弁護士さんに目を通してもらい、
2010年10月中旬、序章を、
10月下旬に「1.なぜ赤ちゃんの呼吸が止まったのか?」
を掲載いたしました。
前回(参照 その8)お伝えしております、
弁護士さんから最初に提示された「示談書」の文案は、
助産師の責任に対して、何の文言もありませんでしたが、
10月15日に提示された「示談書」には、
産科医院(法人)と助産師本人の氏名入りになりました。
残念ながら、私の名前で、私が受けた精神的苦痛に対して、
何らかの訴えを起こすことはできないと説明されました。
以下は示談書の抜粋です。
浩太郎をA1、私達両親をA2、産科医院をB、助産師をCとすると、
『C助産師の責任
Cは、カンガルーケアの実施に際し、助産師として、
A1の容体を注意深く観察し、異変が生じたときには直ちに
適切な措置(医師への通報等)を講ずべきであったのに、
A1の観察を怠り、A2母からの異変の訴えを軽視して放置した
ことにつき、BとともにAに対して深く謝罪する。』
度重なる私達の抗議で、
弁護士さんが助産師の責任について、このような文言を
作ってくださったことに、とても感謝いたしました。
産科医院(法人)の責任については、もちろん
カンガルーケアの説明義務違反や人的・機器的鑑察義務違反により、
過失責任があること及び過失と結果発生の因果関係があることを認め、
謝罪することを明記されていますが、
「9.賠償責任審査会とは」
で説明しておりますように、
現在の日本には、医療事故の原因究明をする機関がありませんので、
以下の文言を入れて下さいました。
『Bの義務
(1) Bは、本件のような悲惨な医療事故が再び発生しないよう、
適切な再発防止策を講じることをAに対して確約する。
(2) BはAに対して、本件医療事故の発生原因及び再発防止策につき
説明するとともに、再発防止のため、日本医師会に対し、
その所属の医療機関や医師への注意喚起・啓発を行うよう働きかける。』
また、以前にお伝えしておりました通り(参照 その5)
損害額については、
浩太郎が3歳になった時に協議し、支払うものとなっていましたが、
産科医院の配慮で内金を頂くことになりました。
最後に、産科医院側から、
刑事告訴をしないという文言を入れてほしいと要請があったらしく
『AはBの院長およびB医院の医療従事者に対する刑事告訴はしない。
ただし、今後のBの対応が不誠実である場合にはこの限りではない。』
という文言で締めくくられていました。
この文面で産科医院側に提出するとのことでした。
相手がどう出てくるか、予断を許さないということでしたが、
私達はなんとか11月中には示談成立にこぎつけたいと願っていました。
浩太郎の初誕生をすっきりした気持ちで迎えたかったのです。
また、事故当初から申し入れておりました、
産科医療補償制度に関して、
産科医院側からはこれまで一度も何の連絡もなかったのですが、
この頃になってやっと、
申請は当事者がするものと、その要式を受け取りました。
ということは、院長はこれまで自ら申請するどころか、
何もしていなかったことを証明しています。
「ははのくのう」に「1.なぜ赤ちゃんの呼吸がとまったのか?」を掲載した後、
私は、既に「2.夜勤体制について」
「3.助産師の実態」
「4.助産師は看護師ではないのですか?」
「5.水も飲めない分娩」
の文書を書き上げていて、弁護士さんに提出していましたが、
助産師についての文書を掲載すると、
担当助産師が示談書に調印できない可能性が出てくるため、
示談が成立するまで掲載は控えるように言われました。