示談成立までの歩み その7 「助産師の反乱」




2010年8月30日の打ち合わせの際、

事故当時の担当助産師が体調を崩しているらしく、

産科医院側からの「説明会」(参照 その4 その6)の件は

進展がないとのことでした。





依然、全責任は院長にあるという弁護士さんと

私達の助産師に対する見解はかみ合いません。

「9.賠償責任審査会とは?」 でお伝えしています通り、

民事訴訟というのは、結局、損害賠償請求とのことですから、

助産師を主に責任を追及すると、

医師(法人)の責任が薄れ、損害賠償の請求が難しくなることを

弁護士さんが懸念してくださったことと思います。





体調を崩している助産師に代わって、

その両親が謝罪したいという意向を受けました。



助産師は国家資格を持つ立派な一社会人です。

その助産師の言動に、親の責任はありません。

自分で責任を取るのが当然です。





私達はお断りしました。





それから2,3日して、知人からとんでもないことを聞きました。





なんと、産科医院のスタッフ達が、

全責任は管理責任者である院長にあるのに、

なぜ担当助産師を守らないのかと、院長を責め、

内部が揉めているというのです。





私達は開いた口がふさがりませんでした。

自分の視点でしか物事を考えることができない、

それでも人の命を預かる助産師でしょうか?





自分のとった言動の責任もとれないくせに、

医師と同じような利権を得ようと看護師会は奔走しているのでしょうか?





この事実は、HPの「らくがき帳」への

書き込みでもお分かりいただけると思います。





事故があったら、かえって気をつけてくれるだろうというのが、

一般市民の心理です。

それほど私達一般市民は医療従事者に対して信頼を寄せているのです。





それが、気をつけるどころか…、

もはや看護師・助産師も白衣の天使などではない! 

と思いました。





いったい、私達は何を信じればいいのでしょうか?

この医師は大丈夫か?

この看護師・助産師は信頼できるのか?

「医療」ではなく、その人物を選択して、

病院を選ばなければならないのでしょうか?





もちろん、医師にも、看護師・助産師にも、

何が問題なのか、認識している常識的な人はいると思います。

一部の医師・助産師のせいで、医療界を悪く言ってほしくないと

思っていらっしゃるでしょう。





ですが、間違った体制を変えることができなければ、

同じ穴の狢と思われても仕方がないのではないでしょうか?





おかしいとわかっていて、声を上げないのは、なぜでしょうか?

全くの他人事だと関知しないのでしょうか? 

関わりたくないのでしょうか?

自分だけは間違いは犯さないと思っているのでしょうか?

それこそ、浅はかだと思いますが…。





もし、ご自分が事故を起こしたら、

自ら公表できますか? 謝罪することができますか?

もし、ご自分の子どもが事故にあったら、

今の医療界の対応を「仕方ない」と諦めますか?

現在の医療界のシステムでどうやって原因究明をされますか?





事故を受けて、自分は起こさないように気をつけようだけでは、

事態は改善しません。

体制の不備や矛盾点を指摘し、嘆くだけでは、

何も変わらないのです。





医師の中には、「患者力」と銘打って、

私達一般市民が良い医者を選ぶことができるように、

アドバイスしている方々がおられます。





これなど本末転倒ではないでしょうか?

『誰でもが、平等に受けることができる』

それが、日本の医療の素晴らしさではなかったでしょうか?

保険診療費の7割は国の税金で賄われているのです。

出産費用は保険適用外なので、「お産は医療ではない」

などと屁理屈を言わないでいただきたい。

そう言えば、戦後、お産を安全なものにしてきてくださった

産科医の方々への冒涜といえます。
(参照 日本のお産は安全ではない)





公的病院はもとより、個人病院の医師も看護師・助産師も、

言わば公務員と変わらないのではないでしょうか?





それなのに、なぜ皆が同じ医療が受けられないのでしょうか?

なぜ、酷い医者に当たった患者が運が悪かった! と、

良い医者かそうでないか、患者が見極めろ! と、

平然と医療従事者の方々は言うのでしょうか?





私達は、事故の苦しみ以上に、

医師や看護師・助産師たちが人の命を守ることに

奔走してくれないことに憤りを感じていました。





9月6日

浩太郎の事故報道をご覧になって、

自分達も被害者ではないかと気づかれた方々がそれぞれ弁護士を立てられ、

福岡の弁護士事務所に集まり、

カンガルーケア医療問題経験交流会を行いました。

改めて医療従事者の怠慢さ、傲慢さを感じ、

なぜ、被害者がここまでがんばらなければならないのだろうと思いました。