示談成立までの歩み その4 「有責」
2010年2月末から私達の事故を受け、
カンガルーケアのことが、
テレビや新聞、インターネットで報道されて、
自分も同じ被害に遭ったと、全国から、複数の方が、
久保田医師を通じて、又は弁護士会を通じて、
私達に連絡がありました。
たまたま報道をご覧になっていてのことですから、
実際にはもっと多くの方々が事故に遭われていると思われます。
事故に遭った方々は、
子どもの世話で報道を見る余裕などないのですし、
医師からは乳幼児突然死症候群の疑いと言われていて、
医療事故だと気づいていないのですから。
これら報道があっても、
当の産科医も日本産婦人科医会も日本医師会も厚生労働省も、
赤ちゃんの呼吸が止まるのを未然に防ごうという動きがないことが、
私には信じられず、恐ろしくてたまりませんでした。
「カンガルーケアとの因果関係が明らかになっていない」
その因果関係が明らかになるまで、
赤ちゃんは被害に遭い続けなければならないのでしょうか?
かといって、因果関係を明らかにする努力をされているのでしょうか?
原因究明はさておいたとしても、
未然に防ぐことが何よりも大切なのではないですか?
私は声を大にして、そう言いたかった。
事故調査委員会から病院側に「有責」との結果が出たと電話連絡があり、
弁護士事務所に打ち合わせに行ったのは、
6月23日のことでした。
その時の詳しい経緯は
HPの「世の中の動き」
医療事故調査委員会の調査結果(その1)
医療事故調査委員会の調査結果(その2)
に掲載しています。
私達は示談や裁判が相手の出方次第で左右されるものとは
その時点で知りませんでした。
ですから、なぜ? いつ?
「示談交渉」ということになったのかわからなかったのです。
私達は裁判を起こそうと覚悟を決めて弁護士さんを訪ねたのですから。
どういうふうに事を進めていくのか、
そのような説明は弁護士さんからはありませんでした。
きっと弁護士さんにとっては、
日常茶飯事のことなので、説明されなかったのでしょう。
他の被害者の方々が、相手側の病院が非を認めないので、
提訴せざるを得ないことを聞いて、やっと今頃理解できたのです。
私達の場合も産科医院側が非を認めなければ、
提訴することになっていたのでしょうし、
産科医院側が自ら賠償責任審査会に申請したということは、
示談に応じるという意味だということを、
弁護士さんと相手の産科医院、そして医師会は承知のことで、
知らなかったのは私達だけだったのですね。
弁護士さんからは「事故調査委員会」としか聞いていなかったので、
「有責」という結果が電話連絡のみだったことに納得がいかず、
それはどこの、どういう組織なのかと問いました。
そしてこの日初めて、
その組織が「賠償責任審査会」だったということを知らされたのです。
これは日本医師会の会員が、保険料を納めて設立されている
第三者機関だそうですが、
簡単に言えば、事故があった時に、
損害賠償金を支払うための保険会社ということでしょうか?
その組織の中で、保険会社が損害賠償をする必要が
有るか無いかの判断を下す為の「調査委員会」のようです。
私はそれまでに事故の時系列と「精神的苦痛」と題した、
手書きの文書を纏めていて、
産科医院側に見せてくれるように、弁護士さんに提出しました。
「何か要望はありますか?」と弁護士さんに聞かれたので、
産科医院の院長からは「救急隊に電話した!」の言葉以来、
浩太郎がなぜ救急搬送されることになったのか、
なんの説明も受けていないので、
医師として、その責任を果たしてほしいと申し入れました。