福岡市 発達障害児の増加ストップか?〜2012年度は微減





2013年4月23日 NETIB News




全国的に増加傾向にある発達障害児。

福岡市においては、2007年から急激な増加を見せていたが、

12年度の診断数が前年度からわずかに減っていたことがわかった。




同市において診断判定を行なっている心身障がい福祉センター

および東部・西部療育センターの統計によると、

12年度における小学校入学前の新規受診児は総数1,092人。

そのうち632人が発達障害と診断された。

同市こども未来局こども発達支援課は、「発達障害の増加は全国的傾向であり、

今後、大幅に減るとは考えていない」という。

なお、3施設以外の民間医療施設で発達障害と診断されたケースについては把握していない。




3施設における発達障害の診断数は、1995年から増え始め、

2007年以降急増し始めた(グラフ参照)。

その理由について、遺伝子説や診断基準の変化などがあげられているが、

一方で、新生児への医療の対応が変化したことを理由として指摘する声もある。




1993年、厚生労働省(以下、厚労省)は、今や主流となっている「完全母乳哺育」を推奨し始めた。




久保田産婦人科麻酔科医院の久保田史郎医師は、この変化に対し、

「栄養不足が重症黄疸、低血糖症、高ナトリウム血症性脱水を引き起こし、

脳機能の損傷へとつながる」と警鐘を鳴らし、糖水や人工乳を乳幼児に与え続けてきた。




また、久保田医師は、2007年から厚労省により推奨された、

出産直後、新生児を母親に抱かせる『早期母子接触』が乳幼児の低体温症を招くとして、

適切な体温管理を行なうべきと訴えてきた。

今もなお、講演活動だけでなく、

病院のホームページで解説付きの動画を掲載するなど、啓発活動を続けている。




今回、12年度の発達障害数が前年度から微減したことを受けて、

久保田医師は、

「出産直後の早期母子接触と完全母乳哺育に警鐘が鳴らされたことによって、

低体温症・低血糖症に陥る新生児が減り、発達障害児の増加に歯止めがかかったと考えられる。

厚労省は出生直後の早期母子接触と完全母乳の推進運動を即刻中止し、

発達障害児防止法および障害者家族の支援活動に取り組むべき」とコメント。

13年度は12年度に比べて著しく減少するとの予測を立てている。




久保田医師以外でも現在のやり方に疑問を抱いている

医師や助産師、新生児の家族が増えているようだ。

今年4月に出産を迎えた同市早良区の夫妻は、助産師に久保田医師の話をしたところ、

「以前から久保田先生の考えに賛同しており、久保田医院と同じやり方で対応してくれました」という。

「現場レベルの意識の変化が発達障害の急増に歯止めをかけたのではないか」と、

久保田医師は語る。




微減したとはいえ、

過去に比べると依然として数が多いことには変わらない。

限りある財源で発達障害を抱える子どもたちへの支援を拡充していくためにも

増加要因を見つけることが不可欠。




国や地方自治体は、深刻な問題と受け止め、

より一層、原因究明に力を入れるべきではなかろうか。




なお、福岡市立こども病院の医師ら5名が1988年から2006年までのデータを

分析してまとめた「福岡市の発達障害児の実態調査」では、

医療施設によって発達障害児の数に違いがあることが指摘されており、

産科の医師を交えた原因究明が求められている。




【山下 康太】




文中のグラフについては、 NETIB News をご覧下さい。