カンガルーケア中の事故で示談 男児の脳機能障害 長崎の産科医院が責任認める(引用)
2010年12月29日(水)20時10分配信
産経新聞
長崎市の産婦人科医院で昨年12月、男児がカンガルーケア中に呼吸停止し、
脳機能障害になった事故で、同医院がケア中の対応に不備があったことを認め、
両親との間で示談が成立したことが29日、分かった。
男児は9日に1歳の誕生日を迎えたが現在も意識不明のままで、
両親は
「1つの区切りとはなったが、子供の将来を考えると心配なことばかり」
と不安を抱える。
両親や同医院によると、男児は昨年12月9日夜、3156グラムで生まれた。
院長の診断では健康で、助産師らはすぐにカンガルーケアを始めたが、
男児はケア開始直後から爪が紫色になり、手足を動かさなくなっていった。
しかし、助産師らは「大丈夫」と言うばかりで何の対処もせず、
異変を感じた母親(46)の叫び声で助産師が
駆けつけたときには呼吸は止まっていた。
男児は市内の病院に救急搬送され、一命は取り留めたが、
脳機能障害など重篤な症状が残った。
同医院側は事故後、両親に謝罪の意思を伝えてきたが、今回の示談では、
カンガルーケアの危険性について事前に説明しなかったことや、
ケア中に男児を注意深く見守らなかったこと、
助産師が男児の異変に対し適切な処置を怠ったことなどを具体的に認めた。
その上で、医院側が再発防止策を講じることや、
カンガルーケア中の事故が再び起こらないよう日本医師会に
対応を働きかけることも示談書に明記。
院長は
「呼吸停止の理由は今後究明しなければならないが、
結果についての責任はわれわれにある」としている。
示談は今月3日に成立したが、
男児は今もNICU(新生児集中治療室)に入院したまま。
1歳の誕生日は病院のベッドで、
父親(45)と母親、看護師らと一緒に迎えた。
父親は
「一生懸命に生きている息子を見ると、私たちも頑張らないといけないと思うが、
この子の将来を考えると不安も募る」
と率直な心境を吐露。
母親は
「二度とこういう事故が起きないよう、
病院や医師会にはしっかり対応してほしい」
と願う。
両親はホームページ
(http://www.geocities.jp/southsweel/KOUTAROU.html)で、
事故の経緯や病院での男児の経過などを報告している。
■カンガルーケア 母親が出産直後に一定時間、
胸元で赤ちゃんを抱っこすること。
1978年に南米コロンビアで保育器不足の対策として始まった。
母子関係の向上や母乳育児の促進に有効とされ、
日本でも90年代後半から普及した。
実施中に赤ちゃんが低体温状態に陥って死亡したケースもあり、
カンガルーケアを推進する医師からも
事前の説明とケア中の安全面の配慮を求める意見が出ている。
カンガルーケア中の事故で示談 男児の脳機能障害 長崎の産科医院が責任認める(引用)