お産事故補償 周知が課題(引用)


10月4日配信    西日本新聞 



先日の新聞で、以下の記事を見つけました。








出産事故で赤ちゃんが重度の脳性まひになった場合、医療者の過失の有無にかかわらず

3千万円の補償金を支給する産科医療補償(無過失補償)制度の申請件数が、

開始後1年8カ月で全国67件だったことが分かった。





制度が保険料(1分娩(ぶんべん)3万円)の算定根拠とした

推定対象件数(5年目以降)は年800件で、ペースはこれを大きく下回る。





脳性まひの診断は幼児になってできる場合もあり、

制度活用のため「小児科医や保健師にも周知を図ってほしい」と求める声が出ている。





制度は、患者と家族の救済や再発防止に向けた発症原因分析、

産科医不足の一因とされる医療紛争の軽減を目的に2009年に創設された。

産科医院や助産院が財団法人日本医療機能評価機構を通じて保険会社と契約し、

脳性まひの診断が可能になる生後6カ月から満5歳になるまでの間、補償金を申請できる。





機構によると、09年1月生まれの子が生後6カ月を迎えた昨年7月から、

診断書作成など2カ月の準備期間を含めた今年8月末までの

1年余りの申請件数は67件。うち64件に支給が決まった。





制度の創設時、機構は補償対象となる重度脳性まひ患児が

1年間に800―500人発生するとサンプル調査などを通して予測した。

申請件数がまだ少ない理由を





(1)成長に伴って症状が変化することもあり、医療者が診断や申請に慎重になっている

(2)制度について産科医以外の認知度が十分でない可能性がある−などと分析。





「3歳前後になって診断が可能になる事例もあり、今後は申請が増えると見込んでいる。

当初の予測より極端に少ないという認識は持っていない」(機構の同制度運営部)





国内の出産は毎年約100万件で、1年間に集まる保険料は約300億円。

09年生まれの対象児が満5歳になるまでに支給の申請・認定件数が

500件に達した場合でも、約90億円の剰余金が出る計算になる。





機構は「制度のPRを強化したい。もし剰余金が出た場合の使い道は未定で、

支給要件や補償額の見直しを含め、今後検討する」と話している。



●患児の家族が 分からぬ例も





▼高橋保彦・九州厚生年金病院小児科部長(小児神経)の話 

分娩(ぶんべん)に携わる産科医や新生児科医、一部の小児科医を除くと、

補償制度は医療者にもまだ十分認知されていない。

患児の家族も、わが子が補償対象なのかどうか分からないままでいる

事例が多いのではないか。制度を社会に根付かせるためにも、

乳幼児健診を受け持つ小児科医や保健師などにもっと広報するべきだ。





    ×      ×





●ワードBOX=無過失補償制度

通常の妊娠・出産で分娩(ぶんべん)時の事故によって赤ちゃんが

重い脳性まひになった場合、医師や助産師らに過失がなくても、

患者側が金銭的補償を受けられる。





(1)身体障害1―2級相当の脳性まひ

(2)出生体重2千グラム以上

(3)妊娠33週以上の出産−などの条件を満たせば、一時金600万円と

   毎年120万円の補償分割金を20年間支給する。

   妊娠28―32週でも補償対象になることもある。

   先天性の障害などは対象外。





制度には、9月21日現在で全国の分娩を取り扱う産科医療機関の99・5%が加入。

1分娩当たり3万円の保険料は妊婦に請求されるため、

公的医療保険からの出産育児一時金が2009年から3万円増額された。