カンガルーケア事故報告受けながら対応先延ばし 厚労省


2010.4.4 00:15 産経新聞



出産直後に母親が赤ちゃんを抱き続ける「カンガルーケア」について

、 厚生労働省の外郭団体が昨年3月、原因不明のチアノーゼ(酸素欠乏症)や

体勢が崩れての気道閉塞(へいそく)などの事故事例が「相当数ある」とする報告書を

同省に提出していたことが3日、わかった。





受け取った厚労省側はその後、病院への注意喚起など対策をとっていない。





カンガルーケアは、母子間の精神的結びつきの向上などに有効とされるが、

この1年間にも赤ちゃんがケア中に呼吸停止などに陥るケースが発生しており、

家族からは厚労省の対応に疑問の声があがっている。



調査は同省所管の財団法人「こども未来財団」が平成20年度の国庫補助事業で実施。

委託を受けた小児科医や助産師ら専門家が、カンガルーケアに積極的な

全国48の医療施設を対象にアンケート方式で行った。





調査報告書によると、回答した42施設のうち23施設でケア中に計52件の事故が発生。

うち2件は自発呼吸ができなくなるほど重篤な状態に陥った。





事例はチアノーゼ(9件)、無呼吸発作(1件)、

うつぶせになった赤ちゃんの口や鼻が塞がって起きた気道閉塞(6件)など。





すべてケア開始から30分以上経過して起きた。