カンガルーケアの危険性(引用)


2010年 2月 6日(土)



元奴隷小児科医の刹那主義ブログより (引用)





『生まれた直後から赤ちゃんを母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」(KC)を実施したところ、

新生児の呼吸が止まるなどしたケースが全国で16例あったことが、

27日に東京都内で開かれた日本母乳哺育(ほいく)学会学術集会で報告された。



その後も増えているといい、報告者の渡部晋一・倉敷中央病院総合周産期母子医療センター長は、

赤ちゃんの状態をきちんと観察するなどの実施基準を明確にすべきだと注意喚起した。



KCは、母乳育児促進に有用とされ、広く行われている。

新生児医療の専門医のグループが昨年全国205の病院を調査。

16例のうち1人が死亡、4人が植物状態という。



渡部センター長はうち3例について説明。

KC中に赤ちゃんの呼吸が止まるなどしているところを発見されたが、いずれも赤ちゃんの

状態が観察されておらず、事前説明も母親には行われていなかったという。



「KCは推進したい。だが、どう実施するかだ」と話した。

長野県立こども病院の中村友彦・総合周産期母子医療センター長も

「(正常出産でも)出生直後は呼吸循環状況が危機的な状況となる可能性が高いことを

認識して実施すべきだ」と強調した。』







カンガルーケアの危険性について、自分自身でもあまり意識していなかったので、

いろいろと調べてみますと、



【出生後30分以内に起こりやすい赤ちゃんの低体温とそれによる低血糖が主な原因】



ということらしいです。



低体温というのは、赤ちゃんにとって非常に悪い影響を与えるということは知っていましたので

赤ちゃんの蘇生のときなどは低体温にならないように、かなり気をつけています。

(小児科医がお産で呼ばれる時というのは、赤ちゃんの状態が良くない時なので)





生まれてきたばかりの赤ちゃんというのは、羊水で体がびしょびしょです。

その状態で暖かいお母さんのお腹の中から、急に寒い外の世界に出るわけです。

ちょうど温水プールから外に出るような感覚でしょうか。





なので赤ちゃんが生まれてきたら、とにかくすぐに羊水を拭き取り、

新しいタオルを体の下に置きます。

(超低出生体重児とかの場合はサランラップで体を巻いたりします。)

生まれてきた赤ちゃんは処置台の上にのせられるのですが、上に保温用のヒーターがついています。

実はこれがめちゃくちゃ熱くて、処置をしている自分の髪の毛がチリチリと焼けそうなくらい熱いのです。

頭の頭皮がヒリヒリと痛いです。

だから汗がポトポト落ちてきますし、介助をしてくれる助産師さんのメークも台無しです。

まあ、それくらい赤ちゃんにとって保温というのは重要なことなのですね。



出産されるお母さんにとっては、分娩室というのは蒸し暑くて汗だくになると思いますが

生まれてくる赤ちゃんにとっては、それでも寒いのです。

日本の分娩室の温度は24〜26度、赤ちゃんに快適な環境温度というのは32〜34度だそうです。





私自身も、カンガルーケアによってお母さんの体温により赤ちゃんが保温されるものだと

思っていたのですが、赤ちゃんにとってはそれでも寒いようです。

それによって、赤ちゃんの心拍が下がり呼吸が止まってしまうことがあるのです。



生後直後は38度前後の胎児の体温は、生後30分で36度くらいまで低下し、

その後は徐々に上昇し生後5時間くらいで赤ちゃんの平熱である37度になります。





対応策としては、



・ 生後30分はなるべくカンガルーケアをせずに赤ちゃんの保温に努める

・ 分娩室の温度を上げる

・ カンガルーケア中は、なるべく赤ちゃんの体が冷えないようにして、モニターをつけてチェックするなど






          みなさんも、カンガルーケアは物言えぬ赤ちゃんにとっては寒いのだという認識を持ってもらい

赤ちゃんの状態にも常に意識を向けてもらうことが重要だと思っています。





(元奴隷小児科医の刹那主義ブログより引用)