生後6カ月間は「母乳のみ」に異議

エビデンスの再検討が必要



2011年 既に、

英国内では、「母乳のみ」に異議を唱えるお医者様がいらっしゃるようですが、

日本には、「母乳育児を成功させるための10カ条」に対して、疑問を持つお医者様はいらっしゃらないのでしょうか?

それとも、声を上げてくださらないだけなのでしょうか?




Medical Tribune 2011年3月3日 (VOL.44 NO.9)



TOPICS from EUROPE



〔ロンドン〕英国のガイドラインは,

母親に新生児は生後6カ月まで母乳のみで育てるようアドバイスしているが,

ロンドン大学小児保健研究所の小児科コンサルタントMary Fewtrell博士らは

BMJ(2011; 342:c5955)の誌上でこれに疑問を投げかけている。



同博士らは「現行のガイドラインの背後にあるエビデンスを再検討し,

この推奨を再評価すべき時だ」と述べている。




貧血やアレルギーのリスク上昇



Fewtrell博士らは,

生後間もない乳児を母乳のみで育てることは全面的に支持しているが,

6カ月間母乳のみを与え他の食品を導入しないのは,

児にとって必ずしも最善ではないと強調している。




世界保健機関(WHO)は2001年に,

乳児は生後6カ月間母乳のみで育てるべきであるとの推奨を世界に発表した。

西欧諸国の多くはこれに従わなかったが,英国保健省は2003年,

これに従うことを発表した。同博士らは,

水道水と安全な離乳食へのアクセスが限られていて,

乳児の死亡と疾患リスクが高い新興国では,

6カ月間の母乳のみでの哺育を支持している。

しかし,6カ月間他の食品を導入しないという

WHOのガイドラインの内容については懐疑的である。




同博士らによると,

生後6カ月間母乳のみで哺育すべきだとするWHOの推奨は,

主にこの分野に関する既存の研究を対象とした2000年のシステマチックレビューに基づいている。

このレビューは,母乳のみで育てられた乳児では感染症が少なく,

成長面での問題がないと結論付けている。




同博士は「生後6カ月間,母乳のみで十分な栄養を与えられるというエビデンスは疑わしい」と反論。

「乳児が母乳のみで育てられた場合,鉄欠乏性貧血のリスクが増加し,

6カ月以前に特定の固形食を与えられなかった小児では,

セリアック病と食物アレルギーのリスクが高まる可能性がある」と指摘している。




また,母乳のみで他の食品を与えないと,その後,乳児が緑葉野菜などを食べる際に,

苦味などの新しい味に慣れにくい可能性があることを懸念している。

さらに,同博士らは「これは後年の不健康な食生活や肥満につながる可能性が高い」と付け加えている。




同博士らは「この問題について過去10年間に蓄積されたエビデンスに照らして,

英国のガイドラインを再検討する時機に来ている」と結論付けている。