早期母子接触(いわゆるカンガルーケア)について



ある産婦人科医のひとりごとより引用  


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2012/10/20


10月17日付けで、日本周産期新生児医学会のホームページに、

「早期母子接触」実施の留意点が掲載されました。

これは、日本周産期・新生児医学会、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本小児科学会、

日本未熟児新生児学会、日本小児外科学会、日本看護協会、日本助産師会の連名での公式見解なので、

一つの意見や考え方というレベルではなく、今後、

日本国内の全分娩施設が遵守すべき診療指針(ガイドライン)としての位置付け

と受け止める必要があります。




今後、「早期母子接触」に関連して何らかの医療事故が施設内で発生した場合は、

その施設がこの診療指針を 遵守していたかどうか?が厳しく問われるもの と覚悟しなければなりません。

従って、日本国内で分娩に関わる全医療従事者はこの「早期母子接触」の留意点を熟読し、

各施設ごとに、この指針に準拠した「早期母子接触」実施マニュアルを早急に作成する必要があると思います。




バースプラン作成時に「早期母子接触」について説明し、

妊婦本人が「早期母子接触」を実施する意思があるかどうかを確認する(同意書に署名してもらう)こと、

「早期母子接触」時に母体の上体を挙上する(30 度前後が望ましい)こと、

児の顔を横に向け鼻腔閉塞を起こさず呼吸が楽にできるようにすること、

児の下肢にパルスオキシメーターを装着すること、

担当者が実施中付き添い母子だけにはしないこと、などは非常に重要だと思います。




また、今回公表された「早期母子接触」の留意点には、

“分娩施設は、「早期母子接触」実施の有無にかかわらず、

新生児蘇生法(NCPR)の研修を受けたスタッフを常時配置し、

突然の児の急変に備える”ことが明記されました。




従って、日本国内で分娩に関わる産科医、助産師の全員が

NCPR研修を受けることを半ば義務化されたと考えられます。

またNCPR講習会に1回参加しただけでは手順をすぐに忘れてしまって、

いざという時に全く役に立たないので、

定期的にNCPRのトレーニングを実施して分娩担当者全員がNCPRに習熟しておく必要があります。



(ちなみに、当院では日本周産期・新生児医学会で認定されたNCPRのインストラクターが

計5名在籍し、院内で定期的に学会認定のNCPR講習会を実施してます。)






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